ここ数年、自分の好きな音楽について語ることを避けていました。
なんというか、好きな音楽に、自信がなくなってしまっていたからです。
ところが数日前に見たボブ・マーリーのライブ映像が、
あまりにも素晴らしくて、カッコよくて、ヤラれてしまい、
その日以来、ずうっとこころの中でレゲエ音楽が流れ続けているので、
今回は思い切って、このテーマをこころの外に出してみることにしました。
実は私、10代に入ってから20代半ばに至るまで、
まるっきりのブラックミュージックかぶれでございました。
70年代SOULから、90年代のR&B、HIPHOPまで・・ほんとーにたくさん!!
特にレゲエは、14-15歳の頃に打たれて繰り返し聴いていたかしら。
毎日毎日、とにかく惚れ込んで、ひたすらに聴き込んでいました。
ところがある時、当時色々なことを共に考え、語り合っていた友人に、
ふと問われました。
「その音楽の、なにがどう好きなのか、どんな魅力を感じているのかを、
自分に説明してくれ」と。
そしてその友人は、自分の好きな音楽やバンドについて、
歌詞のこんなところが素晴らしい、こんなスタイルに共感するんだ、と、
熱く、愛をもって語ってくれたのです。
しかしその反対に、私はというと・・・
なんと、10年以上もあれやこれやと聴き続けてきたにもかかわらず、
全く“ことば”をもって説明できないではありませんか!!
「理由なんて・・
ないョ・・?・・」(こころの声。涙)歌詞なんて、殆ど覚えていない(理解しようとすらしていない)し、
アーティストの価値観や生き方だってよく知らない・・
大好きだったはずの音楽に対し、ほぼ全く、そういうことを“考えて”
向き合ったことがなかったのです!!
この事実に気がついたとき、
なんだか急に今までの自分の音楽ライフが恥ずかしく思えてきてしまい・・・
これまで数々の曲にシビれたり、癒されたり、酔いしれたり、
元気をもらったりしてきたことなどが、すべて偽りであったかのように、
サ〜っと色褪せてしまったのでした。。
そんな出来事から何年かが過ぎて、久しぶりに観た、ボブ・マーリー。
やっぱりもの凄く深く感動したのです。
体の奥のほうが熱く、震えている。
10代のあの頃にヤラれたあの感じが、時を経た今でも、むしろより深く体験できたのです!
そうしてようやく、私にとってオンガクとは何であったのかということに気がつきました。
私は、ブラックミュージックの、
あの頭よりも下半身に訴えかけてくる躍動感あふれた「リズム」と、
歌い手の「声」から感じ取れる魂の響きを愛していたのです。
今改めてそこに意識の光を当ててみると、私はあの頃「体とこころ」を、
もっと使いたかったんじゃないかと思います。
「頭」ばかりを使う必要のある日々のなかで、体とこころももっと使って、
人間としてのバランスをとりたかったのかもしれません。
体、こころ。
頭以外の領域が求めていることに、もっと意識を向けてみると、
自分にとって大事なことが意外と見えてくるのかもしれないですね。
ボブ・マーリーの、あの濃縮した、惹きつける魅力、歌声、人となり。
体験してみたい方は是非このライブをどうぞ♪
http://www.gyao.jp/music/bob/