諏訪かさねによる詩の言語造形。
『亀のこうらの夢を見て』
稲尾教彦さんの
この小さな詩で幕を閉じました。

この作品は、わたしのなかでは
『舟』とも深く繋がっている氣がしています。
この星に生まれ来たこと
体験した様々なこと
そのすべてを、喜んで
“おかあさま”に伝える。

それは
『舟』に出てくる若い女が
母親の願いを胸に抱きつつ
旅立ってゆくその姿と
どうしても重なるのでした。
そしてこの若い女は
この星に生まれたわたしたち
すべてでもあるのだと思います。
出会い、繋がり、ともに何かを創造し、
別れ、また再び出会って、繋がって・・・
人生というものを
幾度も繰り返しながら
同時にそのすべての瞬間は
一期一会で・・・

そんな
この星での「生」というもの
「いのち」の営みというものの豊かさを
改めて深く感じさせていただいた
「おはなしペチカ.006」でした。
この祝祭に
繋がり、支え、分かち合ってくださった
すべての皆さまに
こころより感謝御礼申し上げます。
ありがとうございました。

『亀のこうらの夢を見て』(稲尾教彦)
亀のこうらの夢を見る
星にまぎれて空を飛び
波にまぎれて海泳ぐ
星空も 海も大地もなつかしく
夢のようです
おかあさま
光の土地に生まれ来て
夢のように生きました
あの木もいつか枯れるでしょう
それでもずっと夢を見ます

写真: 山本 美紀子さん
会場: 奈良 想芸館
● 次回は 10/28(日)
大阪 「日本の言靈を味わうクラス」
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