2014年02月21日

『兎の花嫁』 の いのち

今回も無事グリム公演を終えることができたのですが、
実は、わたし自身は一度、『兎の花嫁』を語ることを
あきらめようとしたときがありました。


理由は特に見つからず、
とにかく「やらねば」と焦る気持ちと、
焦るほどにかえって重い無気力が膨らんで・・

もしかしたら、今まで、
もちろん好きでやってきたことではあるけれど

いつの間にか無意識なところで
「やらねばならない」という観念も一緒に背負ってしまっていて、
それがもう背負いきれなくなったのかもしれません。


なので今回は勇気を出して、
夫に正直な気持ちを告白しました。

そして、もう私だけ抜けるつもりで迎えた二回目の打ち合わせで、
音楽を担当してくださる森田さんに告げると

彼は、いつもながら静かな口調で、しかしはっきりと、
「いや、やったほうがいいですよ」と。

そして、
一回目の打ち合わせのときに聴いた私の語りから、
その世界を鮮やかに掘り起こして作ってくださった一曲を
ヴァイオリンで聴かせてくださったのです。

その途端、

一面に広がる冬の朝のキャベツ畑の風景が、
さ〜〜〜〜っ!と目の前に立ちあがりました。
そしてそのまま一気に、見事に、
私は『兎の花嫁』の世界に引き込まれてしまったのです。。

胸が熱くなり、涙が出そうになりました。

こころの内で消えかけていたグリムメルヘンの灯火に、
再び熱い炎がよみがえった瞬間でした。


この冬の、寒さのなかで、
一度は消えそうになるほど埋もれてしまったけれど

でも、確かに存在していた小さな種、芽のようなものを
森田さんはしっかりと見出し、育ててくれていたのです。

ああ、なんということでしょう。

芸術による、その目に見えない愛の応答に
私は深く感動し、感謝の気持ちでいっぱいになったのでした。

森田さんは、私と「兎の花嫁」という童話のいのちを救ってくれた
救い主でした。


こうして、言語造形の「いのち」を、
音楽によって支え、表現してくださる素晴らしい方との出会い、
ほんとうに嬉しく、有難く思っています。

そして、このように
語る者としてまだまだ頼りのないところもある私ですが、
これからもこの創造のプロセスをご一緒できたなら
こんなに幸いなことはありません。

森田さん、
今回もほんとうにどうもありがとうございました!

そして美味しい手作りケーキで、私たちを優しく応援してくださった
お連れ合いの久美さんにも、こころからの感謝を込めて!


●森田徹さんのブログ
言語造形公演『大人が楽しむグリム童話のひととき』を終えて


昼の部を終え、夕の部を待つひととき
CIMG9334.jpg

        
すべてを終えた、打ち上げのひととき
CIMG9343.jpg



「グリム童話のひととき」(ダイジェスト)



 
posted by 千晴 at 21:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 言語造形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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